個人事業主でラーメン屋を開業するメリット

ラーメン屋を経営しよう、独立しよう。

そう考えたときにふと立ち止まってしまうのは、どういう形態で独立するかではないでしょうか。

具体的な悩みとして、会社を作るべきなのかどうか?ということです。

多くの場合、年の売上が600万円を超えたら法人にしたほうがいいといわれていますが、どうして600万円というハードルがあるのでしょうか。

また、法人を作らずに個人事業主でラーメン屋を開業するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、法人を作った時と個人事業主で続けていくときとのメリット・デメリットについてみていくことにします。

開業前でなく、開業してから事業が軌道に乗り始めて法人を作ったほうがいいかどうか悩んでいる人もぜひ読んでみてください。

■個人事業主と、法人どちらでやったらいいのか?

個人事業主と法人とを比べたときに、何が一番大きな違いとなるのでしょうか。

よく言われるのは4点で、「法的な立場」「開業の際の手間」「税金」「社会的信用度」です。

この4点について、個人事業主と法人のメリット・デメリットということで進めていきましょう。

■個人事業主と法人のメリット・デメリット

・個人事業主の場合

個人事業主の場合、「法的な立場」は個人そのものです。

つまり、例えば「誰が事業の責任を負うのか」という、経営において非常に重要な問いには、個人事業主であるあなた本人が責任を負うことになります。

結果として、会計法上では無限責任がかかるでしょう。

無限責任とは事業に失敗し借金を負った際に自己の財産を弁済に充てなければならないというもの。

個人事業主は、ほとんど自由に動けるため、財産的には不自由となってしまいます。

続いて、開業の手間ですがこれは非常に簡単。

「個人事業の開業等届出書」「所得税の青色申告承認申請書」「給与支払い事務所棟の開設届書」の3点を開業する住所の管轄税務署へ提出すればOK。

印紙代といった費用もかかりません。

「税金」に関しては、個人事業主は5~40%の所得税がかかりますが、赤字であれば課税されません。

そして最後に「社会的信用度」ですが、個人事業主にはほとんどないといっても過言ではありません。

届け出なども誰でもお金もかからずに簡単に出せるため、信用度はあってないようなものです。

とはいえ、ラーメン屋などの飲食店では、相手が法人ではなく一般のお客さんなので、それでも十分に対応できるでしょう。

社会的信用度は、そのまま取引先との信頼関係構築の容易さに繋がっているのです。

・法人の場合

法人の場合、まず注目すべきは法人があるということです。

「法的な立場」ということが出来ますが、これは、経営の経験がない人にとってはよくわからないかもしれません。

法人を作ると「法人格」という法律で定められた人格が手に入ります。

事業の責任などもこの法人格である法人が請け負うことになるのです。

結果として、法人の代表である社長は有限責任となります。

イメージとしては非常に仲の良い人が借金をしたとしても、自分にはほとんど関係ありませんね。

ただし、連帯保証人となった場合には話が別になります。

法人の連帯保証人とは個人保証や担保に当てはまると考えてもいいでしょう。

それでも、法人の場合、事業に失敗して法人が負債を抱えたとしても、代表者の社長であるあなたがこの借金を肩代わりしたり資材を投げ打って返済したりする必要はありません。

これを有限責任といいます。

法人を開設する場合は、手間がかかります。

まずは「登記」。

定款を作成し公証役場で認証を受ける必要があります。

この認証は有料です。

そのうえで、本社のある管轄法務局へ登記申請をします。

これも有料になります。

この作業は、いわば、自分が作りたい法人とはどういうものであり、その法人の戸籍を作成しようというのです。

この登記には時間もかかり、一般的には2週間から長くて1ヶ月ほどかかります。

登記終了後は「法人設立届書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」の3つの提出が必要ですが、これらは無料です。

登記時にかかる資金はだいたい20~30万円。

個人事業に比べて手間も時間もお金もかかってしまいます。

「税金」についてですが、15~26%の所得税が最低かかってきます。

これに加え、消費税や法人税なども関係してくるでしょう。

また、法人は赤字でも最低限の納税が必要です。

これを法人税の均等割りといいます。

最低でも年間7万円程度の納税が発生すると考えておけばいいでしょう。

「社会的信用度」については、開設には手間も時間もお金もかかる法人を設立したのですから、当然他人からの信頼は厚くなります。

法人同士のやり取りも楽になるため、もしかしたら仕入資金などに影響を与えるかもしれません。

それでも、最初のうちはごくごくわずかなはず。

大事なのは継続していくことです。

継続していくことで、信用は膨らんでいきます。

また、金融機関や地方自治体の融資や補助金を得るのに個人事業主と比べて有利であるという側面もあります。

■税金の申告について

税金について簡単に書きましたが、「税金の申告」について具体的に見ていきます。

自分が稼いだお金がどのくらい国に持っていかれるのか気になる人も多いでしょう。

ここでは、白色申告は度外視します。

独立開業などを鑑みると、白色申告は手間がかからない以上のメリットがないためです。

・個人事業主の税金と確定申告

個人事業主の税金や確定申告については、専門家の力を借りることなく、自分自身で行っている人も多いようです。

また、青色申告にも2段階あり、複式簿記による貸借対照表をしっかりと作ることで税金の控除額が変わってきます。

作ると65万円、作らないと10万円という違いになります。

ただ、この貸借対照表を正しく作成するのは、そこそこの会計知識が必要になるでしょう。

確定申告用のアプリケーションなどを使っていかないとなかなか難しいのが現実です。

それでも、しっかりと確定申告を行うことで、サラリーマンの時と比べても節税できる場合も多いでしょう。

特に家賃や光熱費、通信費などを経費に認めることができたり、様々な生活に必要な備品の購入なども経費として認められたりすることがあります。

このあたりの詳しい項目については、1度専門家に詳しく聞いてみることもいいでしょう。

その際は、何を聞きたいのか明確にしましょう。

漫然と確定申告についてという形で話を聞きたい場合は、専門家ではなく商工会議所などが行っている「青色申告相談会」という無料のセミナーのようなものがありますので、ぜひ活用してください。

・会社を設立するとこんなメリット

会社を設立するのは手間がかかるというのは理解していただけたかと思います。

また、設立後も、個人事業主にはない必要書類の管理義務や作成義務があり、管理という点だけでかなりのリソースが必要になるでしょう。

一方で、会社を設立した場合、個人事業主と比べるとはるかにいい点が2つあります。

ひとつは、資金を集めやすいこと。

もともと、株式会社というのは資金をいかに効率よく集めるかという手段でしかありませんでした。

金融機関からの融資だけでなく、投資家や支援者からの出資という形でもお金を集めやすくなります。

しかも、有限責任という形でお金に関してはかなり余裕を持った行動が出来るといえるでしょう。

もうひとつは、節税対策です。

個人事業主では、利益がすべて給与所得となってしまうため、ダイレクトに税金がかかります。

一方、法人の場合、社長であるあなたに給料を支払う形になります。

給料は経費として認められているため、法人視点だと利益が下がる形になり、税金をかける利益が少なくなるため、結果として節税対策になるのです。

ただし、期の初めに社長の給料は決める必要があります。

税金の申告前に利益が予想以上に多く出たからといって、社長の給料や賞与を増やしてしまうのは非常に危険です。

最悪、悪質な脱税措置ととられ追徴課税の対象となる場合もあります。

節税だけにとらわれることなく、しっかり経営で利益を上げていきましょう。

まとめ

個人事業主と法人の違いについての基礎知識をみてきました。

税金の話が多かったなという印象かと思いますが、実際のところ、この大きな違いはお金にかかわる問題でしかありません。

経営や事業を行っているのは他ならぬあなたであり、それは仮に形が変わっているように見えても、実際のところは何も変わらないからです。

とはいえ、経営と税金は切っても切り離せない問題ですし、いわばあなたの年収の問題。

この記事を参考にしながら、対策を進めていってください。

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